フォーカス

目を瞑って周りの会話をボーッと聞いていると、日本語が外国語のように感じる。金曜日の終電、車内はいつもより賑やかな声で溢れている。「外国人にはこうやって日本語が聞こえているんだろうな〜」と思いながら、それを感じるという遊びをする。少しでも意識を集中してしまうと、それは言葉に聞こえてしまう。程よくボーッとするのは、意外と難しい。

目を開けると、光の鋭さにやられる。いつもの明るさがとても眩しい。朝から晩までPCと見つめ合う生活で、一週間の中で、目の疲れが最高潮に達しているのがこの瞬間だ。焦点を合わせることにも、人間は体力を使っているみたいだ。

日本語が外国語のように聞こえている状態っていうのは、目のかすんでいる状態と同じことだろうか。ピントが行方不明になっている状態。ん?耳にも被写界深度ってあるのかな。なんだかよく分からないけど、この視界がボケた状態すらも今は楽しい。

たまには、ピンボケも悪くないのかもしれない。